|
(推薦文)
今回はフランス映画、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督(1907〜1977)の『情婦マノン』(1948)を取り上げた。マノン役はセシル・オーブリ。しかし、いきなり水を差す話だが、この映画はあまり面白いと思っていない。その理由は後回しにさせて頂くとして、監督はフランスの名匠だし、賞で言うならば1949年のヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞(最高賞)を受賞しており、決して遜色のある映画ではない。
参考までに、同映画祭の1948年にはローレンス・オリヴィエ監督の『ハムレット』、1951年には黒澤明監督の『羅生門』、1952年にはルネ・クレマン監督の『禁じられた遊び』が、それぞれ金獅子賞を受賞している。それらに挟まれる形で受賞している『情婦マノン』が、一般的に言えば、映画史に刻まれた名作であることに疑いの余地は無いであろう。
・・・続きを読む
|